不登校 文部科学省の対応対策15年指針




不登校問題に関する調査研究協力者会議
文部科学省は不登校問題に対応するために平成4年に指針を発表して取り組んできましたが、その後も一向に改善の兆しが見られない状況のなかで、平成14年9月に「不登校問題に関する調査研究協力者会議」を設置しました。
そして、協力者会議により、平成15年3月「今後の不登校への対応の在り方について(報告)」が取りまとめられました。

学校の取り組みについての指針
その報告をもとに発表した文部科学省の指針のうち、親として知っておくべき学校の取りくみについての指針は以下の項目です。
.体罰などの人権侵害は絶対おこなってはならない。
.いじめや暴力行為を許さない学校つくり
.保健室や相談室等の生徒の「居場所」を充実させる。
.いじめや教師の不適切な言動や指導で不登校に至った場合、
クラス替えや転校を柔軟に認める
.学校外の学習状況を把握し、工夫して評価する。

平成15年指針は、本質的なところで平成4年の指針を踏襲するものですが、より具体的に踏み込んだ内容となっています。
児童生徒の居場所、こころの居場所が不登校児童生徒に必要であることが報告され、学校内においても、教室以外の居場所として保健室や相談室の充実の必要性を学校に求めています。
その後も平成17年には「こころの教育の充実」が唱えられるようになります。
また、平成9年に「学校以外の適応指導教室や一定の条件を満たした 民間施設での通所・入所日数を学校の出席扱いとすることができるとしましたが、これを更に踏み込んで、学校以外の学習を評価につなげるように学校側に求めています。

具体的施策
●「不登校のため中学を卒業できない生徒に対し、中学校卒業程度認定試験の受験資格を拡大する。 高校入学試験における調査書は、それ以外の選抜資料を配慮する」

高校入学者選抜の改善について(平成9年)の文部科学省初等中等教育局長通知は、登校拒否の生徒については、進学動機等を自ら記述した書類など調査書以外の 選抜資料の活用を図るなど,より適切な評価に配慮することとしています。 自己申告書が可能となりました。

●「学校以外の機関に通所した場合は、校長は指導要録上、出席扱いにすることができる。」
平成4年と同じく学校長の裁量範囲です。

●「不登校児童生徒の学校復帰を支援する適応指導教室の設置を推進する。」

適応指導教室は、教育委員会が設置する学校以外の公的施設で、不登校児童生徒を対象に自立心や集団への適応力を養うと共に学習への意欲づけと学校復帰を目標にしています。しかし、利用者数は増えておらず、2005年時点で全不登校児童生徒の10%未満の利用率に留まっています。
増えない理由として学校の延長であるとの批判もあります。
なお、「適応指導教室」は平成16 年度より「教育支援セ ンター」と名称を変更。

●「不登校対策の中核的機能としてスクリーングサポートセンターを充実させ、不登校の早期発見早期対応をはかる。」

不登校児童生徒やその家庭へのきめ細かな支援を行うため,学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートシステムの構築を目指しています。広域スクリーングサポートセンター各都道府県47ケ所と地域スクリーングサポートセンターで構成されています。

●「スクールカウンセラー(平成7年から)やこころの教室相談員(平成10年から)の配置等により、教育相談体制を充実させる。」

スクールカウンセラーとは、臨床心理士や医師などの有資格者が、児童生徒のカウンセリングや保護者・教職員に対する助言・援助する目的で平成7年に導入されました。平成18年時点で、中学校 7,613校、小学校1,677校、高等学校688校に配置されています。


現在も不登校問題に対応する上記取り組みが行われているところですが、「平成20年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると不登校小学生と中学生の数は126,800人という調査結果が報告されています。
平成13年のピーク時と比較すると10,000人あまり減少していますが、少子化という状況を勘案した、全生徒数に占める割合でみると、その差は0.05ポイントでしかありません。つまり、文部科学省が不登校問題の重要性を認識し、その対応対策を行って20年以上が経過しましたが、成果があがっているとは言い難い状況が続いています。

また、ここには掲載していませんが、平成4年の指針および平成15年の指針においても
教師の質の問題に触れ、平成15年の指針はより細かに不登校問題に対する認識と対応および学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)等の基本的な知識の向上を求めています。このことは、教師の質の向上という面においても、期待通りの成果が出ていないことを物語っています。

2009年のニュースにとりあげられた大学付属高校の修学旅行中の教師による生徒への体罰は、リンチともいえる酷い内容でした。不登校の原因とならないことを願うばかりです。



                                       
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